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現代人とこころ 河合隼雄講演選集
── 全6巻 ──
── 全6巻 ──
現代人の心をテーマに、六つの講演を厳選!
臨床心理学の第一人者でカウンセラーだった河合隼雄先生。優しい語り口と独特のユーモアで、悩みを持つ多くの人々に悩みの解決法や生き方のヒントを与えてきた。
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現代人とこころ 河合隼雄講演選集 全6巻 収録内容
▶CD-1 新しい親子のあり方について 77分
核家族化の進んだ日本では、家族構成の変化はもちろんのこと、住まいの造りや子供への接し方も、昔とはかなり違う。「プロの心理学者も悩んでいる」といわれるように、親子のあり方が難しくなっている。これからの時代、どのような親子関係が望ましいのか、長いカウンセラー経験から得た河合先生の考え方は傾聴に値する。 収録:1989年7月28日/新潮社 ▶CD-2 「そばにいるだけ」の深い意味 52分
臨床心理士の仕事は、そばに「いる」ということがとても重要で、同時にそれは非常に難しく、修練しないとできないこと。それを突き詰めて考えると、仏教の教えに通ずるものがあるのではないか、と河合先生は言う。 鬼と旅人の話やピカソの残した名言、さらに英詩「A THOUSAND WINDS」にもみられる「存在する」ことの、哲学的な意味を考え、こころのケアに役立てる。 収録:1998年6月10日/国際日本文化研究センター主催特別公開講演会「働くことと在ること」 ▶CD-3 科学は人間を幸福にしたか? 55分
急速に発達した科学や近代医学。 それらは人間の心と切り離して研究したが故に発展したと言われる。 しかし、現代においては、すべて人の心との「関係性」が重要になってくるのではないか? 「ある医者と糖尿病患者の関係」「河合先生とクライアントの関係」を例にあげ、テクノロジーの発達した現代社会において、果たして人間は科学の進歩によって幸福になったのか?という問いに、河合先生が答える。 収録:2004年3月7日/財団法人国際花と緑の博覧会記念協会主催 第3回KOSMOSフォーラム「人間の科学」 ▶CD-4 生きるヒントがある 「物語」の中の男性・女性 47分
「日本の昔話は、ハッピーエンドで終わる話が少ない。」と、西洋人はよく言う。 それは「夕鶴」に見られるような、哀しい結末になる話が多いということ。 しかし日本の昔話にも、結婚してハッピーエンドの話はあるが、それらの主人公はすべて「女性」であるという共通点がある。 『落窪物語』を例に、物語の中の男性と女性の在り方を分析し、そこから、生きにくい現代に生きるための知恵を探る。 収録:1992年5月28日/国際日本文化研究センター主催第2回東京講演会「物語における男性と女性」 ▶CD-5 現代人のこころの中の母性 44分
全体を包み込む性質の母性と、区別し切断する性質の父性。 これからの時代、必ずしも「母=母性」「父=父性」を持って生きることはないのではないか? 「母性社会」である日本と「父性社会」である欧米においても、そのどちらも兼ね備えた社会が理想ではないかと河合先生は説く。 収録:2001年2月25日/甲南大学人間科学研究所主催2000年度学術フロンティアシンポジウム「現代人と母性」 ▶CD-6 文化は今の世の中を癒せるか? 58分
モノが豊かになった反面、心に傷を負った人が増えた現代では「癒し」という言葉が流行語になった。
しかし、本当に深く傷ついた人の心を癒すのは並大抵のことではない。 河合先生は、音楽や絵画、俳句などの創作によって救われた人々の体験を紹介し、それら文化の力で混迷する今の世の中も救える、すなわち「癒せる」のではないかと説く。 収録:2004年11月5日/神戸女学院大学主催学生相談室20周年記念特別講演会「文化と癒し」 |
河合隼雄 かわいはやお 略歴
臨床心理学者。1928(昭和三)年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒。高校の数学教師を勤めるうち、生徒たちの心の問題に直面し、ユング心理学を学び始める。
スイスの「ユング研究所」に留学し、日本人で初のユング派分析家の資格を取得。
ユング心理学の方法論を日欧の文化比較にまで進め、独自の日本人論を確立した。
京都大学教授を経て、国際日本文化研究センター所長を勤めるが、臨床心理学の仕事に専念するため退任。
元文化庁長官。平成十九年逝去。著書に『昔話と日本人の心』(岩波書店/大佛次郎賞)、『明恵 夢を生きる』(新潮社/新潮学芸賞)。
主な著作は『河合隼雄著作集』(全十三巻)にまとめられている。