DVD
歌舞伎 勧進帳 昭和と平成 ── 全2巻 ──
商品NO:DNNK-511 DVD2枚
厳選された演目の数々とそれを演じる名優たちの華麗な名舞台。 |
歌舞伎 勧進帳 昭和と平成 収録内容
Disc-1 勧進帳 昭和版 昭和18年
出演:
武蔵坊弁慶/七世松本幸四郎
富樫左衛門/十五世市村羽左衛門
源義経/六世尾上菊五郎
昭和18年11月モノクロ収録
77分/字幕:日本語/副音声による日本語・英語解説/モノクロ
七世松本幸四郎はその生涯で、『勧進帳』の弁慶を1600回以上も演じた名優です。
弁慶のみならず、十五世市村羽左衛門の富樫、六世尾上菊五郎の義経という夢のような配役で昭和18年11月の歌舞伎座で上演されました。
正に国宝級のこの映像は、演劇界屈指の出来事と言っても過言ではありません。伝説の名舞台を心ゆくまでお楽しみ下さい。
正に国宝級のこの映像は、演劇界屈指の出来事と言っても過言ではありません。伝説の名舞台を心ゆくまでお楽しみ下さい。
Disc-2 勧進帳 平成版 平成9年
出演:
武蔵坊弁慶/市川團十郎
富樫左衛門/中村富十郎
源義経/尾上菊五郎 ほか
平成9年2月収録
78分/字幕:日本語/副音声による日本語・英語解説
技、体力、気力が求められる武蔵坊弁慶を十二世市川團十郎が熱演。
颯爽とした風姿で弁慶に対峙する富樫左衛門には中村富十郎。
気品と哀愁を漂わす悲運の貴公子・源義経には尾上菊五郎という配役。歌舞伎ファンならずとも絶対に見逃せない大舞台が展開されます。
気品と哀愁を漂わす悲運の貴公子・源義経には尾上菊五郎という配役。歌舞伎ファンならずとも絶対に見逃せない大舞台が展開されます。
※勧進帳
3世並木五瓶作。
天保 11 (1840) 年3月江戸河原崎座で初演。
7世市川團十郎が能形式の新舞踊劇を創作する意図で,長唄を伴奏として能の「安宅」を歌舞伎化。
歌舞伎十八番の一つ。
追われる身の源義経が,家来の弁慶らとともに東大寺勧進の山伏と称し,安宅関を通過する苦心談を描く。
松羽目(まつばめ)物の第1作で,歌舞伎劇中有数の人気作品。
※勧進帳 あらすじ
・義経一行と安宅の関
場面は、北陸道の関所、安宅の関。鎌倉幕府将軍の源頼朝に、謀反の疑いをかけられた弟の義経は、家来の武蔵坊弁慶(元山伏)の計画により、家来とともに陸奥国の藤原一族をたよりに旅をしています。幕府から、その義経を捉える命令を受けた武士、富樫左衛門は、関守として、部下の番卒(ばんそつ)たちとともに警戒しているところです。山伏に扮した家来と強力(荷物持ち)に扮した義経がその安宅の関へとやってきます。
・勧進帳と山伏問答
山伏を厳しく調べているから通せないと言われた弁慶一行は、富樫たちと押し問答になります。火事で焼けた奈良の東大寺再建のため、各地を回って勧進(寄付)を募っていると言う弁慶に、富樫は「それなら勧進の目的を書いた勧進帳を読み上げろ」と言うのです。弁慶は手にある巻物を広げ、あたかもそこに書かれているかのように、勧進帳を読み上げます。それを聞いた富樫は、山伏に関する質問を次々に浴びせていきます。弁慶は、それらの尋ねに応じて答えを述べ、冨樫らの疑いをかわしていくのです。
・義経打擲
この様子に納得した風を見せ、冨樫は一行の通行を許します。しかし、去ろうとした弁慶一行について行く強力が義経に似ていると気づいた番卒がそれを告げたことで、再び冨樫らに呼び止められることになります。疑いを晴らすため、弁慶は杖を取り、義経を打ちすえます。それは家来が絶対にしてはならない無礼であり、そうしてでも主君を助けようとする弁慶の姿に富樫は心を打たれ、関所を通る許可を与えるのです。
・延年の舞と飛び六方
無事に関所を通り過ぎた義経と他の家来たちは、弁慶の機転をほめ、助かったことを喜びます。しかし、弁慶は主君を救うためとはいえ、自らの手で打ち叩いた罪にうちひしがれてしまいます。その様子を見た義経は手をさしのべてなぐさめます。そこへ、富樫が追いかけてきて、疑ったおわびのしるしとしてお酒をすすめます。お礼に弁慶が舞を披露する中、義経と他の家来たちを先に立たせます。そして自らも、富樫と神仏の助けに感謝したのち、一行の後を追ってさっていくのでした。
<飛び六方>
芝居の最後、花道を去る時の弁慶が見せるものです。「六方(ろっぽう)」とは、足と手を大きく振り、歩く演技のことです。寺院で霊や悪鬼を踏み鎮めるために行われた儀礼の歩き方に起源を持つと考えられていて、民俗芸能などにもよく見られます。歌舞伎では、多くの場合荒事(あらごと)の演出として、主要な登場人物の退場時に行われます。ここでの飛び六方は、主君義経のあとを追う弁慶の力強さを、客席の中を通る花道をいっぱいに使って臨場感豊かに見せる最後の見せ場なのです。
場面は、北陸道の関所、安宅の関。鎌倉幕府将軍の源頼朝に、謀反の疑いをかけられた弟の義経は、家来の武蔵坊弁慶(元山伏)の計画により、家来とともに陸奥国の藤原一族をたよりに旅をしています。幕府から、その義経を捉える命令を受けた武士、富樫左衛門は、関守として、部下の番卒(ばんそつ)たちとともに警戒しているところです。山伏に扮した家来と強力(荷物持ち)に扮した義経がその安宅の関へとやってきます。
・勧進帳と山伏問答
山伏を厳しく調べているから通せないと言われた弁慶一行は、富樫たちと押し問答になります。火事で焼けた奈良の東大寺再建のため、各地を回って勧進(寄付)を募っていると言う弁慶に、富樫は「それなら勧進の目的を書いた勧進帳を読み上げろ」と言うのです。弁慶は手にある巻物を広げ、あたかもそこに書かれているかのように、勧進帳を読み上げます。それを聞いた富樫は、山伏に関する質問を次々に浴びせていきます。弁慶は、それらの尋ねに応じて答えを述べ、冨樫らの疑いをかわしていくのです。
・義経打擲
この様子に納得した風を見せ、冨樫は一行の通行を許します。しかし、去ろうとした弁慶一行について行く強力が義経に似ていると気づいた番卒がそれを告げたことで、再び冨樫らに呼び止められることになります。疑いを晴らすため、弁慶は杖を取り、義経を打ちすえます。それは家来が絶対にしてはならない無礼であり、そうしてでも主君を助けようとする弁慶の姿に富樫は心を打たれ、関所を通る許可を与えるのです。
・延年の舞と飛び六方
無事に関所を通り過ぎた義経と他の家来たちは、弁慶の機転をほめ、助かったことを喜びます。しかし、弁慶は主君を救うためとはいえ、自らの手で打ち叩いた罪にうちひしがれてしまいます。その様子を見た義経は手をさしのべてなぐさめます。そこへ、富樫が追いかけてきて、疑ったおわびのしるしとしてお酒をすすめます。お礼に弁慶が舞を披露する中、義経と他の家来たちを先に立たせます。そして自らも、富樫と神仏の助けに感謝したのち、一行の後を追ってさっていくのでした。
<飛び六方>
芝居の最後、花道を去る時の弁慶が見せるものです。「六方(ろっぽう)」とは、足と手を大きく振り、歩く演技のことです。寺院で霊や悪鬼を踏み鎮めるために行われた儀礼の歩き方に起源を持つと考えられていて、民俗芸能などにもよく見られます。歌舞伎では、多くの場合荒事(あらごと)の演出として、主要な登場人物の退場時に行われます。ここでの飛び六方は、主君義経のあとを追う弁慶の力強さを、客席の中を通る花道をいっぱいに使って臨場感豊かに見せる最後の見せ場なのです。