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人形浄瑠璃・文楽 時代物 2
── ひらかな盛衰記,生写朝顔話,花上野誉碑,近江源氏先陣館,平家女護島 ──
── ひらかな盛衰記,生写朝顔話,花上野誉碑,近江源氏先陣館,平家女護島 ──
人間国宝や今は亡き名人らの名演を収録した文楽DVDの決定版! |
人形浄瑠璃・文楽 時代物 2 収録内容
Disc-1 人形浄瑠璃文楽 ひらかな盛衰記
ひらかな盛衰記 竹本津大夫の豪快な語りによる三段目の「松右衛門内から逆櫓」、優美な竹本越路大夫の語りによる四段目の「神崎揚屋」を収録。 人形は吉田玉男(初代)の源太と松右衛門、吉田簑助のお筆と梅ヶ枝(千鳥)。これに二段目の「源太勘当」を加えた夢の組み合せにより構成する。
※源太勘当の段・神崎揚屋の段は、オリジナルの映像に詞章がテロップで表示されています。日本語字幕のON/OF機能はありません。 ※古い映像素材に起因する映像のキズ、色合いの不良、音声ノイズ等があります。あらかじめご了承ください。 ※内容の一部に、現在では不適切な表現がありますが、上演当時の時代背景を考慮して、そのまま収録しております。 |
- ひらかな盛衰記
- 時代物、五段、文耕堂・三好松洛らの合作。元文4年(1739)大坂竹本座初演。源平の合戦を背景に、木曽義仲の遺臣樋口次郎兼光の忠義と梶原源太景季と腰元千鳥との恋を中心に描いたもの。「源太勘当」「逆櫓(さかろ)」などの段が有名。
- ひらかな盛衰記 二段目 あらすじ
- 義仲の御台山吹御前と遺児駒若を守り、腰元お筆は今は楊枝屋となっている父鎌田隼人を頼ったが、梶原の追手番場忠太等が襲ってくる。看板用の猿を駒若と欺き脱出する。梶原源太景季は、宇治川の先陣争いで、父景時が恩を受けた高綱にわざと勝を譲り、景時から切腹を命ぜられる。そのわけを知った母延寿は源太を勘当して命を助け、愛人の腰元千鳥(お筆の妹)共々館を立ち退かせる。
- ひらかな盛衰記 三段目 あらすじ
- 山吹御前、駒若、お筆、鎌田隼人は木曾へ逃れる途中、大津で番場忠太のため駒若も隼人も殺され、山吹は悲歎のあまり絶命する。しかし、駒若は旅宿で隣り合わせた難波福島の船頭権四郎の孫槌松ととり違えられていた。お筆は若君をとり戻しに福島へ赴くが、権四郎は孫の敵と、駒若を殺そうとする。聟松右衛門が義仲の四天王の一人樋口次郎兼光と名乗り、権四郎から逆艪の秘伝を学んで義経に近づき、亡君の仇を報ずるために入り聟したことを打明け、義理の子槌松が若君の身替りに立ったことは、武士の身の誉れと諭す。討手に向った畠山重忠は、樋口と権四郎の心を察し、樋口に縄をかけて駒若を見逃す。
- ひらかな盛衰記 四段目 あらすじ
- 神崎の廓に身を沈め、傾城梅が枝と名乗る千鳥は、源太の出陣に必要な産衣の鎧を請戻す金の工面に心を砕き、無間の鐘をついても三百両を得たいと思い詰める。来合わせた延寿がそれと言わずに金を与える。梶原父子を親の敵と狙う姉お筆も、延寿の情ある計らいに心解け、源太は出陣する。
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Disc-2 人形浄瑠璃文楽 生写朝顔話/花上野誉碑
生写朝顔話 竹本越路大夫と二世野澤喜左衛門の哀愁を感じさせる演奏に名人・桐竹紋十郎の朝顔という、戦後の文楽を代表する配役。朝顔を遣う紋十郎にとってはこの公演が最後の舞台となった点でも貴重な映像である。 花上野誉碑 竹本津大夫・六世鶴澤寛治の伝説の名演で、後半のお辻(吉田栄三)の祈りが眼目。
※古い映像素材に起因する映像のキズ、色合いの不良、音声ノイズ等があります。あらかじめご了承ください。
※内容の一部に、現在では不適切な表現がありますが、上演当時の時代背景を考慮して、そのまま収録しております。 |
- 生写朝顔話 しょううつしあさがおばなし
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時代物、五段、山田案山子(近松徳叟)遺稿、翠松園主人校補。天保3 (1832) 年大坂竹本木々太夫座初演。
文化 11 (1814) 年,奈河晴助脚色で初演された歌舞伎『けいせい筑紫つまごと』の浄瑠璃化で,原拠は司馬芝叟の長咄『舜 (あさがお) 』にある。宮城阿曽次郎と深雪がすれちがいを重ねる悲恋に,鎮西探題大内義興家の騒動がからむ。現在では深雪に焦点を絞り,1段「蛍狩」,2段「明石船別れ」「秋月弓之助館」4段「宿屋」「大井川」の悲恋ものとして上演される。通称「朝顔日記」。『生写(いきうつし)朝顔日記』の題でも上演される。 - 花上野誉碑 はなのうえのほまれのいしぶみ
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時代物、10段、司馬芝叟(しばしそう)・筒井半平らの合作。天明8年(1788)江戸肥前座初演。
1641年(寛永18)にあった丸亀の田宮坊太郎(小太郎)の敵討を金毘羅権現の霊験に絡ませて脚色した作品で、四段目「志度寺(しどうじ)」の段が有名。
山田風太郎の『魔界転生』にも登場する剣豪・田宮坊太郎の若き日の物語。父を騙し討ちにされ、母を宿場女郎にされた坊太郎は、叔父・田宮内記の機転で志度寺に預けられ、命を救われた。悪党たちに油断させるため、口がきけないふりをする坊太郎だが、そうとは知らぬ乳母のお辻は坊太郎の病平癒を願い、金毘羅宮に熱心に祈願を続けるが、坊太郎への思いが溢れ、遂には死を迎える。この「花上野誉碑・志渡寺の段』の浄瑠璃と三味線は共に相当の力が必要な大曲である。
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Disc-3 人形浄瑠璃文楽 近江源氏先陣館/平家女護島
近江源氏先陣館 八段目 盛綱陣屋の段 竹本津大夫・野澤勝太郎の相三味線披露となった舞台だが、時代物を得意とする竹本津大夫の魅力が横溢する名演。初世吉田玉男の盛綱は自身最も好きな役のひとつと言う。 平家女護島 二段目 鬼界ヶ島の段 近松門左衛門の代表作の一つ。端正な竹本越路大夫の精緻な語りが、一人孤島に残る初世吉田玉男の遣う俊寛の悲劇を引き立てる。
※古い映像素材に起因する映像のキズ、色合いの不良、音声ノイズ等があります。あらかじめご了承ください。
※内容の一部に、現在では不適切な表現がありますが、上演当時の時代背景を考慮して、そのまま収録しております。 |
- 近江源氏先陣館 おうみげんじせんじんやかた
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時代物、9段、近松半二・三好松洛・竹本三郎兵衛ほかの合作。明和6 (1769) 年大坂竹本座初演。
大坂の陣を鎌倉時代の近江源氏に置きかえ,佐々木盛綱(史実の真田信幸),高綱(真田幸村)の兄弟が,北条時政(徳川家康)方と源頼家(豊臣秀頼)方に分かれて戦う悲劇を描く。盛綱が高綱のにせ首を実検する〈盛綱陣屋〉の場が有名。 - 近江源氏先陣館 八段目 盛綱陣屋の段 あらすじ
- 盛綱は、母微妙に、小四郎を切腹させてほしいと頼む。時政の真意は、小四郎を囮として高綱を味方につけようとの謀であるとみた盛綱は、高綱が京方に不忠となったり、子ゆえに攻撃が鈍るようなことがないよう、小四郎を切腹させようというのである。小四郎の母篝火はわが子に忍び出よとの矢文を射るが、盛綱の妻早瀬は時節を待てと返し矢で教える。小四郎が密かに逃げようとするところを微妙がとめて切腹を言い聞かす。小四郎は逃げ回る。盛綱の陣所へ、京方の将高綱が討たれたというしらせが届き、盛綱は主君時政の面前で弟高綱の首実検をすることになる。盛綱は偽首であることを見抜くが、捕えられていた小四郎は、首をみて「父上」と呼んで切腹する。盛綱はこれをみて、小四郎が父の計略をよくのみこみ、死をもって敵をあざむこうとした心根を察し、首は高綱のものだと証言する。時政は大敵を討ち取ったと安堵して帰陣する。時政を偽った申し訳にと盛綱が切腹しようとすると、和田兵衛が現われ、今切腹すれば、偽首が露見すると止め、鉄砲で時政が恩賞として残した鎧櫃を打ち抜く。中からは時政の忍びのものが転げ出る。二人は戦場での再会を約して別れる。
- 平家女護島 へいけにょごのしま
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時代物、5段、近松門左衛門作。享保4 (1719) 年大坂竹本座初演。
平家討伐を企てた罪で鬼界ヶ島に流された俊寛の物語と,常盤御前・牛若丸母子の源氏再興の企てを題材とする。
謡曲『俊寛』の浄瑠璃化である2段目「鬼界が島」は,一度は許されながらも自分の意志で島に残る決意をした俊寛が,遠ざかる船影に心乱れるさまを描く。
能の「俊寛」より脱化した二段目の鬼界ケ島の段が名高く、歌舞伎でも上演される。