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人形浄瑠璃・文楽 四つの世話物
── 艶容女舞衣,染模様妹背門松,紙子仕立両面鑑,心中宵庚申 ──
── 艶容女舞衣,染模様妹背門松,紙子仕立両面鑑,心中宵庚申 ──
人間国宝や今は亡き名人らの名演を収録した文楽DVDの決定版! |
四つの世話物 人形浄瑠璃・文楽 収録内容
Disc-1 人形浄瑠璃文楽 艶容女舞衣/染模様妹背門松
艶容女舞衣 下の巻 酒屋の段
戦前・戦後を通じて「昭和」を代表する人形遣いであった桐竹紋十郎の追悼。酒屋のお園は、女方を得意とした紋十郎の当たり役のひとつであった。 染模様妹背門松 下の巻 質店の段 豪快な時代物を得意とする竹本津太夫が世話物でも滋味あふれる至芸を披露しているので、是非お聞き頂きたい。 浄瑠璃の女ごころ お染、お園、梅川ら、女方のサワリを聞かせ・見せながら、浄瑠璃に描かれた女ごころに焦点を当てた番組で、随筆家・岡部伊都子の語りが秀逸。 ※古い映像素材に起因する映像のキズ、色合いの不良、音声ノイズ等があります。あらかじめご了承ください。 ※内容の一部に、現在では不適切な表現がありますが、上演当時の時代背景を考慮して、そのまま収録しております。 |
- 艶容女舞衣 はですがたおんなまいぎぬ
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世話物、3巻、竹本三郎兵衛・豊竹応律・八民平七合作。安永1 (1772) 年大坂豊竹座初演。
元禄8 (1695)年大坂千日寺墓所で女芸人三勝と赤根屋半七とが心中した事件を脚色したもの。
事件直後の歌舞伎『心中茜の色揚』や,紀海音作の浄瑠璃『笠屋三勝廿五年忌』など先行作の影響下に成立した。
酒屋茜屋のせがれ半七は女舞の三勝と深く契り,女房お園を顧みない。
父親の勘当を受け,人殺しの罪を犯し,三勝と心中へ急ぐ半七の身を,両親や舅が気づかい愁嘆するくだりと,夫に犠牲的な愛情を捧げるお園の口説が有名な下巻「上塩町」 (俗称「酒屋」) は,文楽の名曲であり,歌舞伎でも上演される。 - 染模様妹背門松 そめもよういもせのかどまつ
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世話物、2巻、菅専助作。明和4年(1767)大坂北堀江座初演。
お染久松の情死事件を脚色したもので、紀海音作「お染久松袂(たもと)の白(しら)しぼり」の改作。
お染久松を題材にした浄瑠璃は、最初が紀海音による「お染久松袂の白しぼり(おそめひさまつたもとのしらしぼり)」で1710年、二作目が今回観た菅専助による「染模様妹背門松」で1767年、三作目が近松半二による「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」で1780年となっています。1710年には歌舞伎でも上演されているそうです。
お染・久松の心中事件を題材にした作品で(お染久松物),紀海音の浄瑠璃《お染久松袂の白しぼり》を改作したもの。
すでに山家屋清兵衛への嫁入りが決まっている質店油屋の娘お染が,丁稚久松との恋を思い切ることができずに,両親油屋太郎兵衛夫婦を初めとして,婿の清兵衛や久松の父久作らの実意にあふれる配慮にも背いて心中を遂げるという経緯が描かれる。
「質屋」の段は「革足袋かわたび」と呼ばれて名高い。
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Disc-2 人形浄瑠璃文楽 紙子仕立両面鑑/心中宵庚申
紙子仕立両面鑑 中の巻 大文字屋の段
竹本越路太夫の相三味線を務めてきた2世野澤喜左衛門の最晩年の伝説的な名演。 情に溢れる前半と打って変わって賑やかになる後半も楽しい。 心中宵庚申 上の巻 上田村の段、中の巻 八百屋の段 近松門左衛門の最後の世話物作品で、上田村の段の竹本織太夫(後に竹本綱大夫を経て竹本源太夫を襲名)と八百屋の段の竹本越路太夫は、共にこの後幾度となくこの段を務めるが、比較的初期の、清新な演奏が鑑賞できる。 ※古い映像素材に起因する映像のキズ、色合いの不良、音声ノイズ等があります。あらかじめご了承ください。 ※内容の一部に、現在では不適切な表現がありますが、上演当時の時代背景を考慮して、そのまま収録しております。 |
- 紙子仕立両面鑑 かみこじたてりょうめんかがみ
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世話物、3段、菅専助作。1768年(明和5)12月大坂北堀江市の側芝居,豊竹此吉座初演。角書〈助六揚巻〉。
1699年(元禄12)12月に起こった大坂千日寺心中は,翌年すぐに京・大坂の歌舞伎に仕組まれ,人形浄瑠璃においても《大坂千日寺心中物語》が上演された(1700年と推定)。
都一中(みやこいっちゅう)の語物『萬屋助六(よろずやすけろく)心中』などで知られた揚巻(あげまき)助六の情話が題材で、並木丈輔(じょうすけ)の浄瑠璃『萬屋助六二代 コロモヘン上が「氏」下が「市」(にだいがみこ)』(1735)を書き替えた作品。
萬屋助六は傾城(けいせい)揚巻におぼれ、悪番頭権八らの謀計により父助右衛門(すけえもん)から勘当され、妻お松とも離別、揚巻と心中しようとするが、権八らの悪事が発覚して助かる。
眼目は中の巻「大文字屋」で、実家に戻ったお松が夫を救うため身売りしようとするのを、その貞心に感じた助右衛門が揚巻身請けの金を出し、年季証文を持って訪れる場面。
歌舞伎では11世片岡仁左衛門が復活して助右衛門・権八の二役を勤め当り芸とし、以来、その家の芸「片岡十二集」の一つになった。 - 心中宵庚申 しんじゅうよいごうしん
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世話物、3巻、近松門左衛門作。享保7 (1722) 年大坂竹本座初演。
近松最期の世話物で,同年に起った八百屋の養子半兵衛と女房お千代の心中を脚色。
夫半兵衛の留守中に姑去 (しゅうとめざり、姑が嫁を離縁すること) にあい,上田村の実家に帰ったお千世の運命を思いやる父の心情を描く,上巻「上田村」が名高い。同材に紀海音『心中二つ腹帯』がある。