51.橋の夢　山奥に住む炭焼きの男。いつも炭の半分を困っている人に配っていた。ある日男の夢枕に老人が出てきて、あるお告げをする。
52.テンシキ　金持ちの庄屋は難しい言葉遣いを好む人で、何でも漢語を交えて話さないと気が済まない。そのうち周囲の人も漢語で話すようになって…。
53.夢のアブ　貧しい暮らしをする二人の男が伊勢参りを思い立つ。途中の峠で弁当を食べた二人だが、眠ってしまった一人の鼻の中からアブが飛び出す。
54.飴は毒　あるお寺で和尚さんが水飴をなめていると小僧がそれを見つける。和尚さんが外出した日、水飴を見つけた小僧は全部なめてしまう。
55.大蛇退治　山奥の村の近くに青坊主という化け物が住むという。青坊主を退治に行った猟師が三人続けて帰ってこない。そして腕のいい猟師が化け物退治に出掛ける。
56.タヌキの恩返し　両親と暮らす貧しい男。暮らしを楽にするために街に奉公に出る。一生懸命働いて田舎に帰る男。峠にさしかかるとタヌキに出会う。
57.犬の目じるし　村の若い者数名が伊勢参りに行こうということになった。大阪に着いた一行のうち、何人かが夜の大阪を楽しもうと繰り出していく。

58.一つ目の国　ある村の若者たちが蛍狩りに出掛けてゆく。そのうちの一人がみんなとはぐれてしまう。地面の穴に落ちた男が見たのは一つ目が住む村だった。
59.千年比丘尼　ある猟師が人魚を釣り上げた。その肉を食べてしまった娘は全く年をとらず…。「八百比丘尼」伝説がモチーフ。
60.タニシ長者　貧乏な百姓夫婦が子供が授かるよう水の神様に祈っていた。しばらくして夫婦に子供ができたが、何とタニシの姿をしていた。
61.尼の仲裁　親孝行な息子とその妻。ある日父が急になくなり、息子は毎日父の供養をするばかりで仕事をしなくなってしまった。そので妻は夫に金比羅参りを勧める。
62.七変化の珠　ある寺に意地悪い小僧がいた。その寺の裏に住むキツネも人をだましてばかりの性悪だった。小僧はキツネを退治しようと…。
63.金の瓜種　ある日年老いた漁師が嵐の晩に船の様子を見に行くと、丸太船に乗せられた若い女を見つける。

64.田植え地蔵　とても信心深い父母、息子の農家。ある日母が突然亡くなり、さらに農耕馬を買い換えたが、不慣れな馬は思うように働かない。困っているとひとりの若者が仕事を手伝ってくれた。
65.河童の薬　ある日百姓が飼っている馬を川で休ませていると、河童が馬の尻小玉を取ろうとするが、逆に馬に引きずられ…。
66.彦一と天狗　あるところに彦一というやっかい者がいた。その彦一をやっつけようと山から天狗が出てくる。実は天狗はこれまで彦一にやられっぱなしだった。
67.おりゅう柳　美しいおりゅうの家の近くには柳の大木があり、いつもおりゅうが声をかけていた。両親はおりゅうに次々に縁談を持ち込むが、おりゅうは全て断ってしまう。
68.池の主　ある古い池には大うなぎが住んでいるという噂があった。村人はこの大うなぎを土用の丑の日に食べようと、捕まえる相談をはじめる。
69.一つ屋の婆　ある旅の僧が広い野原を歩いていたが、道に迷ったらしく次の村にたどり着けない。やっとひとつの明かりを見つけ、一軒の家を訪ねる。

70.金かえせ　若い男二人が旅に出た。ある日二人は道に迷い、人里に行き当たらない。暗闇の中で明かりを見つけた二人は…
71.人影花　山奥に二人の山賊が住んでおり、周囲を荒らし回っていた。ある日若い夫婦の妻が山賊にさらわれ…。
72.笠淵のごんご　ある村に笠淵という大きな淵があった。そのそばには赤岩という大岩があって、そこには「ごんご」という性悪な河童が住んでいた。
73.児島の天福林　ある山奥の村には化け物が出るという噂で、だんだんと寂れていった。ある日一人の武士がその村の寺に宿を求めてやってきた。
74.三つの願いごと　山奥に住む男、生活が苦しく、隣の老人にどうすればよいか相談する。そして老人から着物、路銀、食事を与えられ旅に出ることにした。
75.竜宮の力石　ある店のまじめな奉公人に悪い友人ができて、ばくちで大負けしてしまう。その穴埋めに店の金に手をつけてしまい…。