天下人と二人の将軍 信長と足利義輝・義昭 内容詳細
室町幕府滅亡までの約20年、その実態はいかなるものだったのか。将軍義輝期の政治を押さえつつ、信長―義昭の政治史を読み解く。
室町幕府滅亡までの約20年の実態とは。将軍足利義輝期の政治を押さえつつ、信長―義昭の政治史を読み解く。「天下」と地方の関係性を重視、「天下人」の理解への再考も促す。
著者:黒嶋敏
目 次
はじめに――二条城の二人の将軍
第一章 御所から城へ
足利義昭の上洛
二条城築城
義昭二条城の姿
大名たちからの経済支援
短期築城を可能にしたもの
足利義輝のプロフィール
義輝御所の造営
御所から城へ
石垣と桜馬場の造営
義輝二条城の規模
築城の費用
義輝二条城の軍備――鉄砲
鉄砲技術の仲介者
義輝二条城の軍備――馬
義輝二条城に見る幕府の姿
第二章 足利義輝と遠国
義輝と奥羽の諸氏
近衛氏と南九州の諸氏
大友氏の位置
大友氏と九州探題
それは三好長慶の陰謀なのか
毛利氏へのフォロー
毛氈鞍覆・白傘袋
伊達氏と奥州探題
永禄二年の持つ意味
伊達親子への和睦調停
奔走する山伏のボス
尼子氏・毛利氏の和睦調停
毛利氏・大友氏の和睦調停
和睦調停の実態
大友宗麟のボヤキ
幕府側のメリットと近衛一門
義輝外交の全体像
「都と鄙」の足利の秩序
闘鶏を見る若公
義輝の暗殺
第三章 理想の幕府を求めて
義輝暗殺と織田信長上洛の間
幻に終わった大計画
求められた先例
義輝の遺産、義昭の政権構想
義昭と義栄――二股をかける朝廷
義昭と信長の「天下布武」
天皇・朝廷と「天下布武」
あるべき姿への回帰
排除の論理とその衝撃
「五ケ条の条書」を読み直す①
「五ケ条の条書」を読み直す②
「五ケ条の条書」を読み直す③
敵対するか味方するか
上洛と改元
和睦調停と義昭・信長
毛利氏と義昭の結びつき
義昭・信長と「遠国の仁」
信長の画期性
足利義昭の戦国大名的思考
公界の欠けた将軍
第四章 城破れて天下布武
理想の将軍との距離
義昭は挙兵したのか
異見十七箇条
「悪しき御所」の先例
糾弾する信長の立ち位置
二条城と武田信玄
上京焼き討ちと二条城
二条城の落城
天下を捨て置く
謎の花押
義昭の代替わり
信長の代替わり
城破れて天下布武
終章 天下人へ継承されるもの
兄と弟
信長と天下布武
義昭も信長も継承できなかった義輝の政治
「天下」の骨格となる「都鄙」の論理
おわりに/資料編/主要参考文献