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新訳 東洋の理想 ── 岡倉天心の美術思想 ──

新訳 東洋の理想 岡倉天心の美術思想 |学習と教育を支援する通販会社-YTT Net

 商品NO:BSH-733
 A5判/468頁/発行:2022.6

新訳 東洋の理想 岡倉天心の美術思想 内容詳細



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日本の歴史と文化のあり方を再認識し、「アジアは一つ Asia is one」というメッセージを世界に発信した岡倉天心『東洋の理想』。
その新訳により、岡倉が伝えたかった美術思想をひもとく。
著者:岡倉覚三/著・訳:古田亮/訳注:芹生春奈

新訳 東洋の理想 岡倉天心の美術思想 目次

▶第一部 新訳東洋の理想 岡倉覚三
0. イントロダクション
1. 理想の範囲
2. 日本の原始芸術
3. 儒教 北方中国
4. 老荘思想と道教 南方中国
5. 仏教とインド芸術
6. 飛鳥時代 550年から700年
7. 奈良時代 700年から800年
8. 平安時代 800年から900年
9. 藤原時代 900年から1200年
10. 鎌倉時代 1200年から1400年
11. 足利時代 1400年から1600年
12. 豊臣時代および初期徳川時代 1600年から1700年
13. 後期徳川時代 1700年から1850年
14. 明治時代 1850年から現在
15. 展望
▶第二部
「東洋の理想」でひもとく岡倉天心の美術思想 吉田亮
 ・はじめに
第1章 「東洋の理想」を読むための準備
第2章 「明治時代」前半
第3章 「明治時代」後半
第4章 日本美術史
第5章 近世の日本美術
第6章 東洋文化史 中国・インド
第7章 「アジアは一つ」再考
終章 「東洋の理想」に学ぶ自己
 ・あとがき
 ・参考文献
 ・索引

まえがき より
岡倉覚三(1863~1913)の英文著作「東洋の理想」(The Ideals of the East with Special Reference to the Art of Japan)は1903年にロンドンのジョン・マレー社から刊行された。「アジアは一つである」という冒頭句によって広く知られた一書である。
今なぜ「東洋の理想」なのか。人類が未曽有の新型コロナ禍を経験し、世界中あらゆる立場の人々がグローバルとローカルの問題を意識せざるを得なくなった現在、そして、国家という範囲がいかに不安定なものか、あるは、国家間や人種間、地域間の軋轢が絶え間ないものであることを日々知らされる現在、私たちは異なる二つのものの対立という現実に対して、その解決に向けた何らかの思考方法を必要としているのではないか。 しかし、考えてみれば、こうした対立や軋轢はこれまでの人類史上では常に存在した問題であった。それが、二十世紀の初頭、西洋主義や近代主義が台頭する時代においては、オリエンタリズムとオクシダンタリズムの対立関係という明確な姿を現したのである。日本は、西洋化と近代化の真っ只中にあって、自らの姿、立ち位置を探し、日本とはどんな歴史をもち、いかなる特徴を備え、世界のなかでどのような存在であろうとするのかを必死になって世界に訴えかけようとしていた。
こうした状況におかれていた日本にあって、一人の先覚的な知識人がこれを文化と美術の観点から考察し、インドでの体験と思考をもとに英語で執筆したのが「東洋の理想」である。著者岡倉は、ひろくはインド的なものと中国的なものとの対立と融合を繰り返してきたのが東洋の歴史だったと捉えるところから自ら緒論を展開している。そのような見取り図をもって、東洋もしくは東アジアにおける日本の歴史と文化のあり方を再認識し、それを世界に発信するという壮大な試みがなされたことは、それ以前には例がなかったという点において研究の対象となる貴重さがある。しかし、それだけではなく、より重要なのは今日の私たちがこれを読み直した場合に、そこからどのようなメッセージを受け取ることができるのか、ということではないかと思う。というのは、執筆から一世紀以上を経た世界地図においても、日本が自らの歴史と文化を世界のなかに位置づけていくことの意義はまったく変わっていないからである。それどころか、今後ますますその重要性は大きくなっていくものと思われる。その時に、「東洋の理想」によって示された岡倉の美術思想は、ひとつの視座となるのではないだろうか。
しかし、だからといって、もしも「アジアは一つ」という冒頭句だけを強調し、これを上辺のスローガンに掲げて解決を図ろうとしてしまったとしたら、大東輪共栄主義に利用された昭和十年代の繰り返しを招くことになりかねない。私たちがこれから、「東洋の理想」に学ぼうとする際には、そうした危険性を孕むことに十分な注意を向ける必要がある。そして、「アジアは一つ」というフレーズから神話を取り払い、新たな視点から真摯な検討を加えるためには、まず誤った読み方をしないための予防的ともいうべき基礎研究からはじめなければならないだろう。
そのために本書は、第一部に「東洋の理想」の新訳とともに、できる限りの註釈を掲げている。また、第二部では「東洋の理想」から今何が読み取れるのかを検討している。ある一部を抜き出して自説に取り込むことの危険性を避けるためであり、また、岡倉の原文には現在の学説に照らしてそのまま受け入れることのできない箇所が多数あるため、そのすべてに学術的な検討が必要だったからである。したがって、訳出にあったっては、あえて可能な限り原文を忠実に翻訳し、誤謬や疑問点などを註釈に示す方法を採った。そうした作業を経て、第二部では単なる解説ではなく、「東洋の理想」がいかなる時代背景を背負って成立し、どのように読まれてきたのか、そして、今どう読むことが可能なのかを探っている。


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