穀物・衣服・染色から製塩・製紙・醸造・兵器に至るまで、あらゆる産業を網羅した中国明代の百科全書。
長い歴史のなかで培われてきた知恵と技術を120余点の挿図とともに詳述。
著者:宋應星/訳註:藪内清
▶天工開物 てんこうかいぶつ
中国の明末(17世紀)に宋應星によって書かれた産業技術書。「天工」は造化の巧み(自然の業)、「開物」は人間の巧みを意味する。中国の産業技術史を展望するための書籍として評価されている。日本では1708年(宝永5年)に貝原益軒の大和本草などに引用され、また木村蒹葭堂が秘蔵していたという。1771年(明和8年)には訓点と添え仮名の施された和刻本が出版された。平賀源内も読んだといわれる。