イタリア・ルネサンス研究者として知られる著者による短・中編小説と、島崎藤村を比較文化論的に考察した「夜明け前の『時間(とき)』」ほかの評論からなるハイブリッド文芸作品集。
著者:澤井繁男
澤井繁男 小説・評論集 目次
▶小説
◆銘石 ◆反抗 ◆規律(けじめ) ◆妖精 ◆玲子の場合
▶評論 Ⅰ
1.『夜明け前』の《時間(とき)》 ──── その比較文化論的考察
2.『主格』の存在を考える ──── 志賀直哉『范の犯罪』を例に
3.伊藤整『小説の方法』にみるダンテ理解 ──── ペトラルカとペスト席巻に論及し忘れた伊藤整
4.変容する錬金術 ──── 日野啓三『石の花』、佐藤春夫『美しき町』の場合
5.『寓話』と、その経緯 ──── 中島敦『山月記』、『名人伝』の視座
6.《宗教》の世俗化
▶評論 Ⅱ
7.『社会的距離』という誤訳
8.太平洋戦争開戦 ──── 磯田道史氏の『記事』・伊藤整の戦時下の日記・中野重治『五勺の酒』
9.『福命』をいただいて ──── 四つの『命』
10.エモーショナル should ──── 英語とラテン語の言語
付言
おわりに/初出一覧
澤井繁男 さわい しげお
1954年、札幌市生まれ。高校時代から創作を始め、「有島青少年文芸賞」優秀賞受賞(札幌南高等学校在籍中)。上京して『第19次新思潮』同人(東京外国語大学在籍中)。小説「雪道」にて「200号記念北方文芸賞」、「第18回北海道新聞文学賞」佳作を同時受賞(京都大学大学院在籍中)。その後、『三田文学』、『新潮』、『文學界』などに小説・評論・エッセイを発表。東京外国語大学論文博士(学術)。学術的専門分野は、イタリアルネサンス文学文化論。翻訳書、T.カンパネッラ『哲学詩集』(水声社)で2020年度日本翻訳家協会翻訳特別賞受賞。元関西大学文学部教授。放送大学(大阪)非常勤講師。
※本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。
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