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新装版 世界の調律
── サウンドスケープとはなにか ──
── サウンドスケープとはなにか ──
新装版 世界の調律 サウンドスケープとはなにか 内容詳細
「サウンドスケープ」とは目に見えるランドスケープ(景観)に対し、ある地域固有の音や創造された音によって演出される音の環境。音環境。
そして、自然の音や街の喧騒、それらを受け取る人々をも含む「耳でとらえた風景」。 その歴史から未来の可能性まで、「音の思想」として集大成した古典的名著。
1960年代終わりに、カナダの作曲家マリー・シェーファーによって提唱された概念で「音風景」、「音景」などと訳される。風景には音が欠かせないという考え方で、そこからサウンドスケープデザインが生まれた。
著者:R.マリー・シェーファー
レーモンド・マリー・シェーファー(Raymond Murray Schafer) 1933.7.18~2021.8.14
カナダを代表する現代音楽の作曲家。サウンドスケープの提唱者。日本ではサントリー音楽財団の委嘱時に「マリー・シェーファー」と紹介されており、この呼び方が最も広まっている。カナダ・オンタリオ州のサーニアで誕生。トロントの王立音楽院ほか、ヨーロッパ各地でも学ぶ。1964年からブリティッシュ・コロンビアのサイモンフレーザー大学で教鞭を執る。代表的な作品は大編成の管弦楽曲「ノース・ホワイト」や、全曲で2時間かかる「ルストロ」三部作。作品はしばしばテープなどの電子音楽と組み合わせて作曲。1977年武満徹企画構成の『Music Today '77』で『アルカナ』が演奏され日本に紹介、その後、1980年6月、『Music Today '80』の「マリー・シェーファーの夕べ」で大きく取り上げられ、一躍注目された。1995年7月8日にはサントリーホール国際作曲委嘱シリーズ『精霊』が、初演された。2005年に「パトリア」と呼ばれる一連の音楽劇を完成させ、「ニューヨーク・タイムズ」から「『指輪』や『光』と並ぶ巨大オペラの傑作」と評される。彼の合唱曲は近年、日本でもしばしばコンクールなどで演奏。日本の合唱団のために書かれた作品として、「自然の声 Vox Naturae」、「17の俳句 Seventeen Haiku」、「香を想う Imagining Incense」、「ナルキッソスとエコーの神話 The Myth of Narcissus and Echo」がある。2021年8月14日、アルツハイマー病の合併症により死去。88歳没。