離婚、子育て、恋、貧乏、人間関係……。
苦境に立ったとき、あのひとならいったいどうするだろう──。
厳しくも優しい幸田文の文章から人生の指針を学ぶアンソロジー。
著者:幸田文/編集:青木奈緒
幸田文 生きかた指南 目次
▶第一章 しあわせの感じかた
長いあとに
幸福なうち
▶第二章 人生相談
「なやんでいます」の答え
古くて新しい嫁・しゅうとの問題──相談相手としての一カ月──
老杉の梢
たえる
なんでもいい
くぼみ
女のこごと
同情して 親切心にあふれて
▶第三章 女と男のむずかしさ
結婚雑談
濃淡
愛情のはげしさ
捨てた男のよさ
▶第四章 親と子のつきあい
離れるということ
機会
重い母
二兎
残された言葉
▶第五章 貧しさの効用
いまここになくて
湿地
柳川さん
話題
無題8
小金の貸し借り
▶第六章 女の気概
些細なつらぬき
長い時のあと
琴と三味線
なぞりのチャンス
つきあい
餅米
あかふだ
恋心
女の気もち
女のしあわせ
■庖丁 鍵 女 / ■坂 / ■あとがき 青木奈緒 / ・幸田文年譜 / ・初出一覧
▶幸田文 こうだ あや 1904年〈明治37年〉9月1日~1990年〈平成2年〉10月31日
日本の随筆家・小説家。位階は従四位。日本芸術院会員。東京都生まれ。幸田露伴次女。女子学院卒。父露伴の死後、『雑記』『終焉』『葬送の記』などの回想文で文壇に登場。のち小説も書き、『黒い裾』『流れる』などで高い評価を得た。繊細な感性と観察眼、江戸前の歯切れの良い文体が特徴。折々の身辺雑記や動植物への親しみなどを綴った随筆の評価も高く、『こんなこと』『みそっかす』や、没後刊行された『崩れ』『木』などの多数の作品集があり、永い人気を保っている。他に映像化の多い『おとうと』も知られている。