国指定重要無形文化財　備中神楽　── 全2巻 ──

神事の後、神代神楽が始まります。「岩戸開き」＝天照大神（あまてらすおおみかみ）が天の岩戸（あまのいわと）にお隠れになり、暗黒となった高天原。そこで神々たちが一計を案じ、平和を取り戻すというお馴染みのお話です。

収録時間：2時間28分
天照大神の孫神に「ににぎのみこと」が誕生します。高天原はこの神を芦原中津国（あしはらなかつくに）の主にしようと目論み、大国主命に出雲の国を譲れと迫ります。しかしこれに反対した大国主命の子供が、使者に戦いを臨みます。やがて力尽きた出雲の国は献上され日本の礎となるという神話劇です。

収録時間：1時間41分
別名「大蛇退治（おろちたいじ）」。天照大神の弟である素戔嗚命(すさのおのみこと)が、奇稲田姫(くしいなだひめ)を救う為に、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治するという物語です。その後二人は結婚し子どもが誕生します。これが後に出雲の国を建国する大国主命です。

収録時間：1時間54分
神代神楽以前の荒神神楽は五行が中心で、備中神楽の主要部分でした。芸能というより「語り」が主で、かつては天地宇宙の万物の成り立ちを問答形式で説く神楽でした。あらん限りの知識を駆使して三日三晩問答、論争したと云えられています。

物語です。「お田植」は、全国的に分布する農作の祝い行事の一つと考えられている作品です。荒神神楽の余興として滑稽な部分のみ演じられ、全てを観る機会は少ないと言われます。

収録時間：2時間6分
「お田植」「こけら祓い」「玉藻の前」は神楽のつなぎに余興としてとりいれられたものです。「こけら祓い」は高砂の翁と翁長が大山祇命（おおやま　つみのみこと）に新築を依頼し、大工がめでたく建築に至るという楽しいお話です。「玉藻の前」は皇室に伝わる三種の神器を奪うため、唐の国から来た老狐が登場します。老狐は美しい天皇の后 玉藻の前となりますが、だんだんとその正体が暴かれていくお話です。

収録時間：1時間18分
「剣舞」「吉備津舞」「託宣」は式年神楽の最後を構成する神事神楽です。「剣舞」は神殿のお払いで、曲芸さながらに舞われる神事です。「吉備津舞」は岡山独自の神話劇です。桃太郎伝説の原型とされる吉備津彦命（きびつひこのみこと）と鬼の温羅（うら）との手に汗握る戦いが演じられます。

収録時間：1時間22分
布を振り回し神がかりになる布舞と、稲わらで編んだ蛇を揺り動かしながら神がかりなる綱舞があります。夜を徹した神楽の最後に荒神の御魂（みたま）を安らげ、鎮め、そして最後にその神の意を聞こうという神事です。