BOOK
漫画とアニメ史 ── 全6巻 ──
日本マンガの原点であると言われる「鳥獣戯画」や「北斎漫画」。
漫画の歴史を紐解くとともに、アニメーションとは何かを考察。
宮崎駿や新海誠のアニメからみた位置づけを考察。
日本アニメーション界に衝撃を与えた理由をその技と独自性から探っていく。
漫画の歴史を紐解くとともに、アニメーションとは何かを考察。
宮崎駿や新海誠のアニメからみた位置づけを考察。
日本アニメーション界に衝撃を与えた理由をその技と独自性から探っていく。
・日本マンガ全史 ・北斎漫画 日本マンガの原点 ・新版 アニメーション学入門 ・宮崎駿再考
・新海誠の世界を旅する ・エ/ヱヴァ考
漫画とアニメ史 全6巻 内容詳細
日本マンガ全史
「鳥獣戯画」から「鬼滅の刃」まで
戦前から現在まで、日本のマンガを通史として紹介する唯一無二の書。大ヒット作から通好みの作品まで紹介。
マンガ関係者必携の一冊。
著者:澤村修治/新書判/496頁/2020.6発行
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マンガは日本の大衆文化の重要な一翼を担ってきた。
古来からあった戯画の伝統にせりふを加え、ポンチ絵や新聞マンガなどマスメディアの一部としても発達したことで、戦後、マンガ文化は大きく花開いて現在に至る。
巨人・手塚治虫の功績、少年マンガ誌の隆盛、女性向けに特化して発展した少女マンガ、アニメ・映画とのコラボレーション。 その表現方法と題材の広さ、深さは特筆に値する。「のらくろ」「鉄腕アトム」から最新作までを網羅。 大衆エンターテインメントの代表、広大なマンガの世界を知ろう! - はじめに
- 序章 前史──『鳥獣戯画』から北斎まで
- ●庶民が育んだメディア──『鳥獣人物戯画』 ●コマ表現の登場──『北斎漫画』 ●日本は世界三大マンガ大国の一つ
- 第1章 明治・大正期──ポンチ絵とコマまんが
- ●近代ジャーナリズムの登場 ●木版印刷から亜鉛凸版印刷へ ●ワーグマンと『ジャパン・パンチ』 ●ビゴーと『トバエ』 ●諷刺雑誌の流行 ●『滑稽新聞』と『東京パック』 ●「マンガ」を意味する言葉の変遷 ●岡本一平 ●マンガ表現の確立 ●「正チャン」登場 ●「ノントウ」の魅力 ●紙面左上に定位置を得る ●キャラクター・ビジネスの走り ●国産アニメのはじまり
- 第2章 昭和戦前・戦中期──『少年俱楽部』と「のらくろ」シリーズ
- ●講談社と『少年俱楽部』 ●のらくろシリーズ ●消しゴムからハモニカまで ●出版統制のもとで ●「冒険ダン吉」と講談社系のマンガ家たち ●個性的なナカムラマンガ・ライブラリー ●『読売サンデー漫画』 ●「フクちゃん」 ●戦時のマンガ家 ●国産アニメの進展
- 第3章 戦後復興期──手塚治虫の登場
- ●マンガ雑誌の復活 ●新人の登竜門『漫画少年』 ●『おもしろブック』と『冒険王』 ●手塚治虫 ●『新宝島』の影響 ●『鉄腕アトム』と『リボンの騎士』 ●すぐれたプロデューサー ●街頭紙芝居と赤本 ●長谷川町子と「サザエさん」 ●藤子不二雄 ●赤塚不二夫 ●石ノ森章太郎 ●悪書追放運動の嵐
- 第4章 『サンデー』『マガジン』のライバル対決
- ●ライフスタイルの変化 ●少年誌「週刊」の時代へ ●小学館 ●破格の創刊事業 ●それぞれの4本柱 ●有力マンガ家の確保 ●タイアップという手法 ●プレゼント企画の威力 ●「伊賀の影丸」と「おそ松くん」 ●当初は人気が出なかった「オバケのQ太郎」 ●東映動画と虫プロダクション ●第三の週刊誌『少年キング』
- 第5章 拡大と熱闘の時代
- ●「鬼」の異名 ●カント学徒からの出発 ●異次元の取り組み ●原作・作画分離方式 ●「大人の鑑賞にも堪えうる作品」を! ●『巨人の星』 ●力石徹の「告別式」 ●「墓場の鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」へ ●150万部突破 ●五大誌時代の幕開け
- 第6章 劇画と青年コミック
- ●貸本文化 ●『影』と『街』 ●劇画の特徴 ●白土三平と『忍者武芸帳』 ●『ガロ』創刊 ●伝説となった作品群 ●サブカルチャーの代表誌 ●大人向け娯楽誌 ●『週刊漫画TIMES』と『週刊漫画サンデー』 ●実験誌『COM』 ●マンガ文化と商業主義の問題 ●青年コミック ●『漫画アクション』と『ヤングコミック』 ●青年コミックの基本線 ●サラリーマン向けマンガ
- 第7章 少女マンガ
- ●前史―少女雑誌の登場 ●貸本少女マンガ ●「リボンの騎士」 ●水野英子 ●学園マンガの登場 ●スポーツマンガの興隆 ●特異なギャグマンガ ●虫プロ『ファニー』 ●りぼんコミックグループ ●新ロマン派の登場 ●24年組 ●「ベルサイユのばら」 ●「ガラスの仮面」と「あさきゆめみし」 ●「読者」の拡大 ●少年誌のラブコメ路線 ●白泉社の作家たち
- 第8章 『少年ジャンプ』の時代
- ●巨匠からコミケまで ●『少年チャンピオン』 ●すべてをマンガページに ●ビッグネームの不足 ●新人作戦の始動 ●「俗悪」の解放 ●友情・努力・勝利 ●1970年代のヒット作・異色作 ●アンケート至上主義 ●専属制度 ●少年誌全体の市場拡大 ●「ドラゴンボール」も最初は不人気だった ●バトルロワイヤル型 ●空前の653万部 ●「ONE PIECE」登場 ●マンガのキャラクターが「世界が尊敬する日本人」に ●『少年マガジン』との首位交替 ●『少年サンデー』の名作 ●「どんぐりの家」と「ヨコハマ買い出し紀行」 ●大友克洋が愛読者となった「蟲師」 ●「セーラームーン」と「アンパンマン」
- 第9章 メディアミックスとアニメ
- ●起点としてのマンガ ●テレビアニメの台頭 ●第一次アニメブーム ●第二次、第三次ブーム ●マンガから興った宮崎アニメ ●ベストスリーの独占 ●TRPG起源の「ロードス島戦記」 ●「ちびまる子ちゃん」の多面展開 ●深夜枠と「新世紀エヴァンゲリオン」 ●「涼宮ハルヒ」 ●「セカイ系」の登場 ●4コマまんが発の「空気系」 ●「ポケモン」の普及 ●マンガ表現の拡張
- 第10章 海外へ進出する日本のマンガ
- ●Magic Boy ●子ども番組の9割が日本アニメ ●AKIRAショック ●冬の時代 ●Anime Convention 91 ●流通システムの問題 ●そして『SHONEN JUMP』の発行へ ●「マンガスタイル」とアメコミ ●ヨーロッパでの受容①フランス ●ヨーロッパでの受容②スペインとイタリア ●ヨーロッパでの受容③イギリス ●アジアでの受容①中国 ●アジアでの受容②韓国 ●海外が認める「文化」としてのマンガ・アニメ
- 第11章 成熟のゼロ年代
- ●団塊世代の成長とともに ●マンガ市場の陰り ●飽和のなかでの挑戦 ●「鋼の錬金術師」 ●「よつばと!」と浦沢作品 ●「のだめカンタービレ」と「エマ」、そして「NANA」 ●「フラワー・オブ・ライフ」と「海街diary」 ●24年組の再活躍 ●「DEATH NOTE」 ●累計1億冊突破 ●青年向けコミックスの最速記録 ●クチコミからヒットした「ちはやふる」 ●「BLEACH」「Jin-仁」、「イキガミ」「MAJOR」 ●「劇画漂流」と「夕凪の街 桜の国」
- 第12章 電子時代のなかで
- ●「進撃の巨人」 ●『ONE PIECE』2億冊突破 ●アニメ深夜枠発のヒットマンガ ●れっきとした少女マンガ「俺物語!!」 ●カゲロウプロジェクトと初音ミク ●『陽のあたる家』と「フイチン再見!」 ●雑誌の部数を倍増させた「妖怪ウォッチ」 ●「聲の形」、そして思想誌掲載のマンガ ●バラエティの影響と「キングダム」 ●無料マンガサイト初の大ヒット作 ●劇場用アニメの記録的作品 ●電子優位時代の到来 ●コミックエッセイのベストセラー ●「鬼滅の刃」大旋風 ●新時代の行方
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あとがき
●参考文献 ●西暦和暦対照表 ●マンガ・アニメ主要事項年表 ●一般史年表
北斎漫画 日本マンガの原点
北斎漫画はこれまで絵手本と考えられてきたが、じつは戯画・諷刺画の要素を多分に含み持ち、日本マンガの原点に位置づけられる。漫画史研究の第一人者がコマ表現や吹き出し、キャラクター設定など、北斎の先駆的な技法に着目しながらその豊饒なる世界を徹底解説。
一方、北斎漫画は当時の江戸の風俗を写しだしたビジュアル百科のようでもある。
1点1点絵を文化史の視点から見直すことで、江戸の人びとの知られざる豊かな暮らしも浮かび上がる。200年の時を経てもなお読み継がれる江戸のベストセラー本の魅力がいま、明らかに。
図版150点掲載。
著者:清水勲/新書判/248頁/2014.7発行
- 第Ⅰ部 全体像
第1章 『北斎漫画』の成り立ち - 日本漫画三〇〇年史/『北斎漫画』のはじまり/全一五編としての『北斎漫画』
- 第2章 絵手本か戯画本か
- 外国人の見方/各編の特徴/スケッチとドラマ
- 第3章 『北斎漫画』の「漫画」とは
- 漫画語/ポンチと漫画/現代的意味の「漫画」誕生
- 第4章 北斎が見てきた戯画本
- 戯画の商品化/『狂画苑』に注目した北斎
- 第Ⅱ部 戯画・諷刺画 各論
第5章 ナンセンスな面白さ - ナンセンス漫画/何となくおかしい/大いに笑わせる/刺激的で怖い
- 第6章 コマ表現の独創性
- コマ枠表現/四コマ漫画の源流/ストーリー漫画の試み
- 第7章 権威・権力に放たれた諷刺の矢
- 諷刺画の生まれる背景/寛政の改革/天保の改革/『北斎漫画』一二編の諷刺画/歌川広景への影響
- 第8章 キャラクター・ドラマ作りの名手
- 戯画キャラクター/弁慶と牛若丸/浦島太郎と桃太郎/個性豊かな女性たち/江戸の動物戯画/虎と象/獅子 二題/風神・雷神/動物キャラクター/誇張と擬人化
- 第9章 江戸時代ビジュアル百科
- 日常の寸景/妖怪変化/福神/知的好奇心/著名人
- 第10章 永遠なる『北斎漫画』
- 現代的表現/吹き出し/動的表現/絵を動かす/逆転の発想/漫画大国の基盤/永遠の『北斎漫画』
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あとがき
『北斎漫画』略史/参考文献
新版 アニメーション学入門
アニメーションとは何か。
いつ、どこで、誰がどんな作品を創ったのか。
最新事情を踏まえた「アニメーション学」の新たな定番。
著者:津堅信之/新書判/280頁/2017.2発行
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この一〇年間のアニメ界は激動期にあった。
デジタル技術の発達による制作環境の変化、宮崎駿監督の引退宣言とスタジオジブリの事実上の解散、深夜枠アニメの増大と定常化、クールジャパンなど国や自治体が関わるアニメ施策の増加……。
日本の、そして世界のアニメはどこへ向かうのか。
最新事情を踏まえた、アニメーション学のニュースタンダード。 - 第一部 総論
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第一章 アニメーションとは何か
1.「アニメ」と「アニメーション」 2.映画技法としてのアニメーションの定義 3.アニメーションの分類 4.表現としてのアニメーションの特性 5.アニメーション制作の流れ
第二章 海外アニメーション史
1.アニメーション技術の発見 2.ディズニーの功績と影響 3.第二次世界大戦後の多様化 4.「アニメーション・アート」の自立
第三章 日本アニメーション史
1.一九二〇~五〇年代──模倣から模索へ 2.テレビアニメの発明──東映動画と虫プロダクション 3.アニメブーム 4.スタジオジブリ 5.デジタル化による革新と今後
第四章 学問としてのアニメーション
1.アニメーション研究略史 2.アニメーションの研究領域
第五章 現代アニメーションの新たな位置づけ
1.クールジャパン 2.アニメによる地域振興 3.知的財産としての諸問題 4.産業としての諸問題 - 第二部 各論
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第六章 日本のアニメーション
1.テレビアニメ 2.劇場用長編アニメ 3.オリジナルビデオアニメ(OVA) 4.ネット配信アニメ 5.CM,PVなど 6.教育用アニメーション 7短編アニメーション
第七章 海外のアニメーション
1.アメリカ 2.カナダ 3.西欧諸国 4.ロシアおよび東欧諸国 5.中国および韓国 - 主要参考文献/アニメーション略年表/索引
宮崎駿再考
『未来少年コナン』から『風立ちぬ』へ
宮崎アニメの破局のイメージを超え、地球規模の力や現象を感得する特異な感性の働きに、3・11後の今を捉え返すカギを探りあてる。
著者:村瀬学/新書判/272頁/2015.7発行
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宮崎駿は2014年制作の『風立ちぬ』で長編アニメからの引退を表明したが、この時点で再びその代表作を見直し、その意義をとらえる試み。
視点には大きく3.11の経験がかかわる。
作品世界に破局を内包している宮崎アニメは、けれどもそれを乗り越えて力強い。その根底に、日常の中に、また風や石や川……の中に、地球規模の出来事や力を感受する特異な認識力があることを個々の作品に即して見ていく。そのアニメの示唆を豊かに受け取る宮崎駿論。 - まえがき 3m以内の地球へ
- 第1章 『未来少年コナン』──「コナンの足」あるいは「星を作る鍛冶屋」
- 原発ぬきの電気で映画をつくりたい/「電気」とは何か──それは「コナンの足」だ!コナンの「手足」へ/「星の感覚」へ/「手の受難」「星の受難」/『未来少年コナン』の平和と破局/「電気」と太陽エネルギー
- 第2章 『風の谷のナウシカ』──巨神兵の系譜と「鍛冶王の姫」
- ナウシカの「手足」としての「メーヴェ」/巨神兵の不思議さ/ゴジラと巨神兵の共通点/起源としての火を噴く「ドラゴン」/巨神兵の系譜:ドラゴン─ゴジラ─巨神兵─エヴァンゲリオン/王蟲の造型、王蟲の触手/「鍛冶屋の娘」あるいは「鍛冶王の姫」としてのナウシカ
- 第3章 『天空の城ラピュタ』──「飛行石」とは何か
- 地球感覚の始まり──重力と浮力/飛行石としてのシータ、石炭としてのパズー/引き付け合うパズーとシータ──磁石としての二人/『ガリヴァー旅行記』と『天空の城ラピュタ』/「ラピュタ」はなぜ長い間「発見」されなかったのか/ウィリアム・ギルバート『磁石論』──「地球は巨大な磁石である」という発見/ラピュタは「小さな星」である/「城」とは何か、「城」が壊れるとはどういうことか再び「飛行石」について
- 第4章 『となりのトトロ』──「傘」のテーマ
- 「傘」と「地蔵」と「笠地蔵」/「笠・傘」のテーマ/「ドングリ」とは何か/地球を守る「傘」がある
- 第5章 『魔女の宅急便』──ウルスラの絵を中心に
- キキのホウキは火を噴かずに飛んでいる/「飛ぶ」とは「地球的な動き」に感応することだ/「ウルスラの絵」の元絵/坂本小九郎『虹の上をとぶ船』と宮崎駿の出会い/「虹の上をとぶ船 総集編Ⅱより 星空をペガサスと牛が飛んでいく」はどのように作られたのか/「星空をペガサスと牛が飛んでいく」から「ウルスラの絵」へ/星座──この「星の感覚」から得られたもの/「おくれ」と「地球的なもの」
- 第6章 『もののけ姫』──ディダラボッチとは何者か
- アシタカの腕の呪い、金属の呪い/「タタラ」との出会い──鍛冶と鉄砲と/タタラ場とはどういうものか/タタラ場と鉄砲鍛冶/なぜ「タタラ」を問題にするのか/エボシ御前の魅力──女、病人を守るための「鉄」作り/崖の上の大筒の火/シシ神とディダラボッチは、本当に「同一」なのか/鉄とは何か
- 第7章 『千と千尋の神隠し』──川の物語に隠されたもの
- 「川」とは何か、「神隠し」とは何か/油屋──川と物語を受け入れる場所/釜爺のこと──水を湯にする火の仕組み/川の物語/「カオナシ」──この「手足ナシ」の存在/「ニガ団子」の示すもの/舞台裏を描く/『柳川堀割物語』からの出発/記憶と物語
- 第8章 『ハウルの動く城』──城と電子メディアの構造
- カルシファーはなぜ「星」なのか/「ハウルの城」とは何か──「城」のメディア的構造/ハウルとは何者か──怪鳥と人との間を生きる/ソフィーとは誰か/戦争と火/「カカシ」の存在/「城を壊す」ということ/「窓」と「帽子」
- 第9章 『崖の上のポニョ』──もう一つの「エビス」の物語
- 海岸/なぜ「洪水」なのか/フジモトという存在/「エビス」の再来?/もう一人の人魚たち=「足のない」車いすの人々/「トンネル」の中で何が起こっていたのか
- 第10章 『風立ちぬ』──「美しい夢」について
- なぜ「地震」から始まっているのか/「ピラミッドのある世界」のこと/『風立ちぬ』と「美しい夢」/「美しい飛行機」の「美しさ」とは何か/宮崎駿と「ファウスト問題」/『風立ちぬ』と「メロドラマ」/二郎と菜穂子──なぜ「結婚」を描いたのか/「震災」「戦争」「家庭」「病気」/お菓子「シベリア」の不安
- 終章 「風」とは何だったのか──『風の谷のナウシカ』から『風立ちぬ』へ
- 「風」についての問い/「心の地学」に吹く「風」/『天空の城ラピュタ』の「風」と「雲」/『となりのトトロ』の「風」と「樹」/『魔女の宅急便』の「雲」と「風」と「ホウキ」/『もののけ姫』の「強い風」と「強い火」/『風立ちぬ』の「風」へ
- あとがき 未来の宮崎駿──地球の力の感知者へ
新海誠の世界を旅する
光と色彩の魔術
新海誠監督の『君の名は。』『天気の子』などの舞台を訪れ、その技と独自性が衝撃を与えた理由を考察する。
著者:津堅信之/新書判/208頁/2019.7発行
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2019年7月に新海誠監督『天気の子』が公開された。
『君の名は。』『言の葉の庭』『秒速5センチメートル』などの作品の舞台となった土地を訪ね、風景がどのように作品に反映されたかを分析する。
さらにこれまでの作品の魅力にふれ、スタジオジブリなど、他のアニメからみた位置づけを考察。日本アニメーション界に衝撃を与えた理由をその技と独自性から探っていく。 - はじめに
- 第1章 幕開けの下北沢――『ほしのこえ』
- 2002年2月2日/新海誠という作家の誕生/アニメ史の中の新海誠/止め絵の美学/再び、下北沢を歩く
- 第2章 青春の幻影 津軽――『雲のむこう、約束の場所』
- 「国境」へ/初の長編アニメ/聖地の誕生/鉄路が途切れる三厩駅/音楽のある風景/青春の終わり
- 第3章 岩舟、種子島、そして東京――『秒速5センチメートル』
- 珠玉の短編集/小さな、そして初めての旅路/盲点だった両毛線/「島」という場所/恋愛の距離感/新海節の完成
- 第4章 異世界への扉――『星を追う子ども』
- その出来に誰もが驚いた/新海誠とスタジオジブリ/観客はどう反応したか/創作の原点、『ピラミッド帽子よ、さようなら』/「死を描く」ということ
- 第5章 雨の新宿御苑――『言の葉の庭』
- 雨を描く/風変わりなキャラクターと新宿御苑/東京という「聖地」/一歩を踏み出す
- 第6章 瀬戸内の島の彼女と、三鷹陸橋の彼――『クロスロード』
- 30秒の「宇宙」/新海誠のCMアニメ/『君の名は。』以前では最高傑作/長編の名手は短編の名手/瀬戸内と三鷹陸橋
- 第7章 みそカツ弁当を食べながら「糸守町」へ――『君の名は。』
- この大ヒットは「最大瞬間風速」か?/「糸守町」へ/3年という時差/飛驒古川を歩く/新海誠のアニメ術/震災の記憶/再び「大ヒット」について
- 第8章 『天気の子』は、どこの子?
- 大ヒットの次回作/海外での評価/新海誠は「ポスト宮崎」なのか/新海作品の鉄道風景/2億を目指すべき作家
- あとがき
エ/ヱヴァ考
The animation from hell
「魔法少女まどか☆マギカ」論、「輪るピングドラム」論で注目された気鋭の批評家が、エヴァンゲリオン世界を新解釈で徹底解明!
テレビ版から新劇場版までの最終決戦評論、ついに登場。
著者:山川賢一/四六判/224頁/2012.11発行