▶序章 君知るや南の国
ゲーテと旅を/ゲーテの生い立ち/『ヴェルテル』の作家/ヴァイマールのゲーテ/イタリアへ
▶第1章 ヴィチェンツァ――建築家パラーディオを育てた都市
北緯50度から45度への旅/アレーナ・ディ・ヴェローナ/ヴェローナ今昔/都市と丘陵地帯/ヴィチェンツァとパラーディオ/ヴィチェンツィアの都市建築/バジリカ・パラディアーナ/ラ・ロトンダ/ミニョンの歌とラ・ロトンダ/テアトロ・オリンピコ/二人のスカモッティ/ヴィチェンツァの作家/ヴィチェンツィアのイメージ
▶第2章 パドヴァ――聖人も祀る豊かな北の大学都市
パドヴァの都市形成/中世の町おこし/パドヴァの聖アントニオ/サントの舌/解剖学教室と植物園/ポルティコのある町/プラート・デッラ・ヴァッレ/カフェ・ペドロッキ/二十世紀のパドヴァ/中心部の三つの広場/ゲーテとパドヴァ
▶第3章 ヴェネツィア――海に浮かぶ国際文化都市
ブレンタ河の船旅/ヴィラ・フォスカリ/海の都ヴェネツィア/ヴェネツィアの表玄関/迷路と水辺の道/大運河と橋/ヴェネツィア観察/ポンテ・デッレ・テッテを探して/ヴェネツィアのパラーディオ/慈善と隔離の思想/アルセナーレとゲットー/ヴェネツィア演劇事情/街中が劇場/美術品の居場所/大運河沿いのパラッツォ/生き続けるヴェネツィア
▶第4章 アッシ―ジ――自然に囲まれた聖なる都市
フェッラーラとボローニャ/アペニン山中の旅/丘上都市アッシージ/フランチェスコの足跡/聖フランチェスコゆかりの場所/ミネルヴァ神殿/一路ローマへ
▶第5章 ローマ――歴史の重層する世界の首都
コルソ通りの住人/古代ローマの残照/ローマ建築の特徴/アウグストゥス時代の建築/コロッセウム前後/建築皇帝ハドリアヌス/混乱の時代の大建築/初期キリスト教のバジリカ/中世という休止期/教皇に仕えた芸術家たち/グロテスク装飾/都市改造計画/バロック都市ローマ/ローマの地形/永遠の都ローマ
▶第6章 ナポリ――陰影深い南国の都市
ローマからナポリへ/ナポリの成り立ち/中世のナポリ/スペイン支配時代/カルロ・ディ・ボルボーネの時代/国際文化都市ナポリ/レディー・ハミルトン/十九世紀のナポリ/明暗のナポリ
▶第7章 パレルモ――文明の交差した異国情緒の都市
ナポリからシチリアへ/パレルモ略史/アラブ・ノルマン建築/楽園のイメージ/バロックの都市改造/奇怪さへの傾倒/十九世紀以降のパレルモ/パレルモにも来たスカルパ/シチリアの中のギリシア/穀倉地帯と丘上都市/東海岸の都市と火山/シチリアの地震
▶終章 旅の余韻
その後のゲーテ/旅することの意味
あとがき/主要参考文献リスト/図版クレジット