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世界大博物図鑑 普及版 ── 全7巻 ──
歴史に残る博物画の傑作を満載した大著
博物画とは…
16世紀ヨーロッパで博物学と共に発展した。美術における静物画とは異なり科学性が重視され、正確な観察には博物学や解剖学の知識も不可欠であったことから学者の指示を受け作画が行われた。
中国には花鳥画の伝統があったが、気(自然のエネルギー)の描出のため背景を重視する花鳥画とも異なり、博物画では背景は描かれないか簡略化される傾向にあった。
屋外で素早く写生する必要性から速乾性のガッシュが用いられ、後にはこれを銅版画に起こし、点描で陰影をつけ手彩色も行われるようになった。
19世紀には写真が登場するが、描いた者の手と認識を通した写真にはない説明性・抽象化があるため、今日でも図鑑や医学書などではイラストレーションが用いられ続けており、サイエンティフィック・イラストレーションやテクニカルイラストレーションとも繋がっている。
世界大博物図鑑 普及版 全7巻 内容詳細
世界大博物図鑑 1 蟲類
昆虫のみならず、クモやムカデ、エビ・カニ類まで世界中の〈蟲〉が一堂にそろった〈蟲の百科全書〉。
収録図版は1000点を超え、いずれも収集家垂涎の名品ばかり。
収録図版は1000点を超え、いずれも収集家垂涎の名品ばかり。
世界大博物図鑑 2 魚類
おなじみのコイやアユから、目撃例が一度しかない深海魚まで、魚の自然誌をもれなく記す。
ルナールによる世界最初の原色図譜ほか、貴重な図版を満載した驚天動地の一冊。
ルナールによる世界最初の原色図譜ほか、貴重な図版を満載した驚天動地の一冊。
世界大博物図鑑 3 両生・爬虫類
カエル、ヘビから龍、ドラゴンにいたるまで、両生・爬虫類の博物誌を古今東西の文献から集大成。
ゲスナー、セバなどの16~17世紀の貴重なカラー図版も収録。
ゲスナー、セバなどの16~17世紀の貴重なカラー図版も収録。
世界大博物図鑑 4 鳥類
ダチョウからカラスまで、鳥の博物誌を詳しく、〈天界の生物〉の秘密を明かす。
グールドやルヴァイヤンなど博物学史上に燦然と輝く名著の図版を収録。
グールドやルヴァイヤンなど博物学史上に燦然と輝く名著の図版を収録。
世界大博物図鑑 5 哺乳類
ヒトを筆頭にしてネズミからクジラまで、地球上のあらゆる哺乳類について語り尽くす。
シュレーバー、シンツなどの傑作図譜から、秀作ばかりを選りすぐって披露する。
シュレーバー、シンツなどの傑作図譜から、秀作ばかりを選りすぐって披露する。
世界大博物図鑑 別巻1 絶滅・希少鳥類
古代から現代にいたるまでの人と生きものの交流を、生物の名の由来、博物誌、発見史、絶滅記録、神話・伝説、民話・伝承、ことわざ、天気予知、美術、文学などにたずね、集大成した。
同時に、18~19世紀ヨーロッパで制作された黄金期の傑作博物画を1巻平均約1,000点収載。精緻なカラー印刷によって、制作当時の色彩を再現した。
同時に、18~19世紀ヨーロッパで制作された黄金期の傑作博物画を1巻平均約1,000点収載。精緻なカラー印刷によって、制作当時の色彩を再現した。
世界大博物図鑑 別巻2 水生無脊椎動物
古代から現代にいたるまでの人と生きものの交流を、生物の名の由来、博物誌、発見史、絶滅記録、神話・伝説、民話・伝承、ことわざ、天気予知、美術、文学などにたずね、集大成した。
同時に、18~19世紀ヨーロッパで制作された黄金期の傑作博物画を1巻平均約1,000点収載。精緻なカラー印刷によって、制作当時の色彩を再現した。
同時に、18~19世紀ヨーロッパで制作された黄金期の傑作博物画を1巻平均約1,000点収載。精緻なカラー印刷によって、制作当時の色彩を再現した。
▶荒俣宏 あらまたひろし 1947.7.12~
東京都出身。日本の博物学者、図像学研究家、小説家、収集家、神秘学者、妖怪評論家、翻訳家、タレント。中学生にして平井呈一に弟子入りし、平井と交流していた紀田順一郎を紹介されさらに兄事した。幻想小説や怪奇小説に魅かれ、野村芳夫と同人誌を発行するとともに、鏡明と国外作品の翻訳に取り組み、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトやロバート・E・ハワードらの作品を手掛けた。
「英雄コナン」シリーズの翻訳を通じて、日本に初めてヒロイック・ファンタジーを紹介したことでも知られている。翻訳の過程で生み出された「魔道」や「魔道士」といった訳語は、のちに日本の幻想小説においても広く用いられるようになった。大学卒業後は日魯漁業でプログラマとして勤務する傍ら、旺盛な執筆活動を続けた。小説家として独立後、伝奇小説の「帝都物語」シリーズがベストセラーとなった。著作で陰陽道や風水を取り上げたことから、それらが広く一般に認知されるきっかけとなった。 また、博物学についても関心を持ち、「世界大博物図鑑」シリーズを完成させた。そのほか、神秘学や民俗学などにも関心を持ち、特に妖怪研究では水木しげるに師事した。
元玉川大学客員教授、武蔵野美術大学造形学部客員教授、サイバー大学客員教授、日本SF作家クラブ会員、世界妖怪協会会員。翻訳家としての筆名に団精二(だんせいじ)を用いていた。また、雑誌『BOOKMAN』における筆名に本野虫太郎を用いていた。日本大学藝術学部芸術研究所教授などを歴任した。
1987年『帝都物語』で日本SF大賞を受賞。1989年『世界大博物図鑑第2巻・魚類』でサントリー学芸賞受賞。現在テレビのコメンテーターなどとしても活躍中。